お買い物と資本主義への抵抗

資本主義社会って冷淡だよね。うちは慈善事業じゃないって言ったんだ専務が。
仕事は数字がすべてなの。民間企業は厳しいよ。
マッサージだけでも金払ってるのに、チケットや何やかんや薦めるわけじゃん。
お客さまに施術した時、何を持ってるかきいたら、結構いろんな物買わされてるみたい。

社長が「物売りになるな」って言ったらしいけど、それはカウンセリングありきだからって意味じゃなくて。
私からすると物売りだと言うことを自覚するなって言ってるようなもんだと思う。

慈善事業じゃないっていうのがホンネなんだよ。
親切そうにお客さまに接してるけど、カウンセリングからこっそり商品の話に移行して、
買わせるように誘導するんだよね、巧みに。百貨店はお客さまを楽しませるっていうけど、
資本主義はそんなに甘くない。だから百貨店の店員は虎視眈眈とお客さまの財布の具合を伺いながら、

どうお話すれば商品が魅力的に見えて、
今すぐほしいと思わせるには、
どう煽ればいいのかを、
しっかり心得ているんだよね。

私もそうやって商品を売るのかな。仮面の下の顔は
見せられないような、


こざかしい顔になっちゃうのかな。